Cisco Catalyst 初期設定①|ホスト名・バナー・タイムゾーンの設定方法【IOS XE 17.6.x】

ネットワーク技術

 

ネットワーク機器を導入したら、まず最初にやるべき基本設定があります。それが「ホスト名」「ログインバナー」「タイムゾーン」の設定です。

「まだ通信の設定もしていないのに、なんでこんなことから?」と思う人もいるかもしれません。でも、この3つは機器を安全かつ正確に管理するための土台になる設定です。特に複数台のスイッチを管理するようになると、ホスト名やバナーの設定がいかに重要かを痛感します。

今回は第1回として、誰でも手を動かしながら覚えられるように、初期設定の基本3項目をひとつひとつ丁寧に解説します。また、CCNAの取得を目指している方の参考になったら嬉しいです!(ちなみに私はCCNPを取得しています!)

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動作環境

この記事の内容は、以下の環境を前提としています。

  • 機器:Cisco Catalyst 9606R
  • OS:Cisco IOS XE 17.6.x(Bengaluru)
  • 参照元:Cisco公式コンフィギュレーションガイド(IOS XE Bengaluru 17.6.x)

コマンドはCisco IOS XEの公式ドキュメントに基づいています。他のCatalyst 9000シリーズでも同様に使用できるコマンドです。

 

 

① ホスト名の設定

なぜホスト名の設定が必要か

デフォルト状態のCisco機器のホスト名は「Switch」または「Router」になっています。複数台の機器を管理している環境では、どの機器にログインしているのかがコマンドプロンプトだけでは区別できません。

ホスト名を設定しておくと、プロンプトがSwitch#からC9606R-Core01#のように変わるため、今どの機器を操作しているかが一目でわかります。運用ミスの防止にもつながる、シンプルかつ重要な設定です。

 

 

コマンド手順

Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# hostname C9606R-Core01
C9606R-Core01(config)# end
C9606R-Core01# 

コマンド解説:

コマンド説明
enable特権EXECモードに移行する
configure terminalグローバルコンフィギュレーションモードに入る
hostname [名前]ホスト名を設定する
end特権EXECモードに戻る

hostnameコマンドを入力した直後から、プロンプトが変わります。設定は即時反映されます。

 

注意点

  • ホスト名に使用できる文字:英数字・ハイフン(-)
  • 最大文字数:63文字
  • スペースは使用不可

 

 

② ログインバナーの設定

バナーとは

バナーとは、機器にログインする際に表示されるメッセージです。Cisco IOS XEには主に2種類のバナーがあります。

バナーの種類表示タイミング用途
MOTDバナー(Message of the Day)ログイン前、接続時全ユーザへの通知・警告
ログインバナーMOTDバナーの後、ログインプロンプトの前より詳細な警告・注意事項

 

なぜバナーの設定が必要か

バナーには主に2つの役割があります。

1. 不正アクセスの抑止と法的保護 「許可された担当者のみアクセス可能」という旨の警告を表示することで、不正アクセスを抑止します。また、万が一不正アクセスが発生した場合、警告を表示していたことが法的な証拠として機能することがあります。

2. 運用上の通知 メンテナンス予告や注意事項を全ログインユーザに知らせることができます。

 

MOTDバナーの設定コマンド

C9606R-Core01# configure terminal
C9606R-Core01(config)# banner motd # 
Enter TEXT message. End with the character '#'.
********************************************
* WARNING: Authorized Access Only          *
* Unauthorized access is prohibited.       *
* All activities may be monitored.         *
********************************************
#
C9606R-Core01(config)# end

コマンド解説:

banner motd [区切り文字] という書式で入力します。区切り文字(ここでは #)は、バナー本文の開始と終了を示す記号です。# の代わりに他の記号(!@ など)も使用できますが、バナーの本文中に使用しない文字を選ぶ必要があります。

区切り文字を入力してEnterを押すと、バナーのテキスト入力モードに入ります。メッセージを入力し、最後にもう一度区切り文字(#)を入力してEnterを押すと設定が完了します。

 

ログインバナーの設定コマンド

C9606R-Core01# configure terminal
C9606R-Core01(config)# banner login #
Enter TEXT message. End with the character '#'.
This system is for authorized use only.
Please log out immediately if you are not authorized.
#
C9606R-Core01(config)# end

MOTDバナーと同じ書式で、banner login コマンドを使います。

 

バナーの表示順序

ログイン時のバナー表示順序は以下の通りです。

[接続]
    ↓
MOTDバナー表示
    ↓
ログインバナー表示
    ↓
Username: / Password: プロンプト
    ↓
ログイン完了

 

設定確認コマンド

C9606R-Core01# show running-config | section banner

このコマンドで、現在設定されているバナーの内容を確認できます。

 

 

③ タイムゾーンの設定

なぜタイムゾーンの設定が必要か

Cisco機器のシステム時刻は、ログやデバッグメッセージのタイムスタンプに使われます。タイムゾーンが正しく設定されていないと、障害発生時刻がずれて記録され、トラブルシューティングが困難になります。

Cisco IOS XEの内部時刻はUTC(協定世界時)で管理されています。日本時間(JST:UTC+9)で表示するには、タイムゾーンの設定が必要です。

 

タイムゾーンの設定コマンド(日本時間:JST)

C9606R-Core01# configure terminal
C9606R-Core01(config)# clock timezone JST 9
C9606R-Core01(config)# end

コマンド解説:

clock timezone [タイムゾーン名] [UTCからのオフセット時間] という書式です。

  • JST:タイムゾーン名(任意の文字列。表示に使われる)
  • 9:UTCからのオフセット(日本は UTC+9)

 

システムクロックの手動設定

NTPサーバがない環境では、手動でシステム時刻を設定します。

C9606R-Core01# clock set 10:00:00 1 June 2026

書式:clock set hh:mm:ss [日] [月] [年]

ただし、公式ドキュメントでも「外部ソース(NTPサーバなど)がある場合は手動設定は不要」と記載されています。実際の運用環境ではNTPサーバと同期させるのが一般的です。NTPの設定については次回の記事で解説します。

 

夏時間(サマータイム)の設定

日本では夏時間は採用されていませんが、グローバルな環境で機器を管理する場合は以下のコマンドが必要になることがあります。参考として記載します。

C9606R-Core01(config)# clock summer-time [名前] recurring [開始] [終了]

日本国内のみで使用する場合は、この設定は不要です。

 

タイムゾーン設定の確認

C9606R-Core01# show clock

出力例:

10:05:30.123 JST Mon Jun 1 2026

JST と表示されていれば、タイムゾーンが正しく設定されています。

 

 

設定を保存する

ここまでの設定はRAM(running-config)に保存されています。機器を再起動するとリセットされてしまうため、必ずNVRAM(startup-config)に保存してください。

C9606R-Core01# copy running-config startup-config
Destination filename [startup-config]? 
Building configuration...
[OK]

または省略形のコマンドでも同じ効果があります。

C9606R-Core01# write memory

 

 

まとめ:設定コマンド一覧

今回設定した内容をまとめます。

! ホスト名の設定
hostname C9606R-Core01

! MOTDバナーの設定
banner motd #
********************************************
* WARNING: Authorized Access Only          *
* Unauthorized access is prohibited.       *
********************************************
#

! ログインバナーの設定
banner login #
This system is for authorized use only.
#

! タイムゾーンの設定(日本時間)
clock timezone JST 9

! 設定の保存
end
write memory

この3つの設定は、どのCisco機器でも最初にやるべき基本中の基本です。特にバナーは「設定し忘れた」では済まないケースもあるので、必ず最初に入れておく習慣をつけましょう。

次回はSSHの設定を解説します。Telnetではなくより安全なSSHでリモートアクセスできるようにする方法を、同じく初心者向けに丁寧に解説します。

Cisco Catalyst 初期設定②|SSHの有効化とセキュアアクセス設定【IOS XE 17.6.x】
前回の記事では、Cisco Catalyst 9606Rの最初の一歩として「ホスト名・バナー・タイムゾーン」の設定を解説しました。今回はその次のステップとして、SSHの有効化とセキュアなリモートアクセス設定を解説します。「SSHって名前は聞…

 

 

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