30代になって、ふと「このままこの会社にいて、年収は上がるんだろうか」と考えた経験はありませんか?
20代のうちは目の前の仕事を覚えるのに必死でしたが、30代に入ると、同期や同年代との差がじわじわ見えてくる。私自身、現役のインフラエンジニアとして働きながら、まさにそこで一度立ち止まりました。
この記事は、未経験者向けの「これからインフラエンジニアになる方法」ではありません。
すでに実務経験がある30代の経験者が、どうすれば年収を上げられるのかを、転職経験のある現役の立場から正直に書きます。
30代インフラエンジニアの年収のリアル
最初に、現実の数字を見ておきます。各種の転職市場データを見ると、インフラエンジニアの平均年収はおおむね540万円前後、ネットワークエンジニアは500万円前後とされています。経験年数で見ると、3〜5年で450〜600万円、5年以上で600万円超というのが一つの目安です。
ただ、これはあくまで平均の話です。現場を見ていると、30代はもっとも年収の差が開く時期だと感じます。同じ「30代インフラエンジニア」でも、400万円台で頭打ちになっている人もいれば、700万円を超えていく人もいる。40代になると1,000万円に届く人も珍しくありません。
公的な統計(令和6年賃金構造基本統計調査)でも、情報通信業の30代はおおむね年収500〜600万円台がボリュームゾーンとして示されています。つまり「平均より上」を狙えるかどうかが、30代の分かれ道になります。
なぜ年収が上がらないのか
頑張っているのに年収が上がらない。その原因は、本人の努力不足というより、構造的な問題であることがほとんどです。私が見てきた範囲で、年収が頭打ちになる理由は主に4つです。
一つ目は、商流の深さ。多重下請けの下のほうにいると、どれだけスキルがあっても、抜かれるマージンが多くて手取りが上がりません。同じ仕事をしていても、元請けに近い会社の人とは年収が100〜200万円違う、ということが普通に起きます。
二つ目は、やっている仕事のレイヤー。運用・監視・保守といった「言われたことを正確にやる」仕事は重要ですが、年収レンジは上がりにくい。逆に、設計・構築・提案といった「何をすべきか考える」上流の仕事に関われると、評価が変わります。
三つ目は、スキルの方向性。オンプレの運用だけで止まっていると、市場価値が伸び悩みます。クラウド・セキュリティ・仮想化など、需要が伸びている領域に踏み込めているかどうかが効いてきます。
四つ目は、会社の評価の上限。残酷ですが、今の会社の給与テーブルそのものに上限があるケースは多い。その場合、社内でいくら頑張っても、その天井は超えられません。
30代インフラエンジニアが年収を上げる5つの方法
ここからが本題です。私が実際に効果を感じた、年収を上げるための具体的な手段を挙げます。
転職で「商流」と「会社の天井」を変える
一番手っ取り早く、かつ効果が大きいのが転職です。先ほどの「商流の深さ」と「会社の評価の上限」は、社内の努力ではほぼ変えられません。元請けや自社サービス企業など、より上流の会社に移るだけで、同じスキルのまま年収が大きく変わることがあります。私自身、「給料はスキルではなく、どこで働くかで決まる部分が大きい」と気づけたことが、待遇を変える転機になりました。
クラウド・セキュリティのスキルを足す
オンプレのネットワークやサーバーの経験に、クラウド(AWSなど)やセキュリティの知識を掛け合わせると、市場価値が一段上がります。「ネットワークも分かるしクラウドも触れる」人材は、今まさに採用側が欲しがっている層です。今の業務で触れないなら、個人学習や資格で補ってでも、この方向に寄せる価値があります。
上流(設計・構築・PM)に関わる
運用中心のキャリアから、設計・構築、さらにはプロジェクト管理側へ軸足を移すと、年収レンジが変わります。手を動かすだけでなく、「どう作るか」「どう進めるか」を決める側に回ることが、評価につながります。マネジメントやプロジェクト管理に興味が出てきたなら、その方向のキャリアも選択肢です。
資格で「証明」を用意しておく
実力があっても、社外の人にはそれが伝わりません。だからこそ、資格という分かりやすい証明が効きます。私はCCNA・CCNP・Security+などを取得していますが、これらは「直接給料が上がった」というより、転職市場での選択肢とスカウトの質を上げてくれたという効果が大きかったです。書類で弾かれず、面談の土俵に乗れるかどうかは、年収交渉のスタート地点を左右します。
複業・発信で収入の柱を増やす
本業の転職と並行して、収入源そのものを増やすやり方もあります。私の場合は、現場で得た知識をKindle本にまとめて出版しました(『Cisco Catalyst 9606R 実践設定ガイド〜CCNAの知識を実務に変える〜』)。
いきなり大きな額にはなりませんが、「会社の給料だけに依存しない」状態は、精神的な余裕にもつながります。発信は自分の専門性の棚卸しにもなり、結果的に本業の市場価値も高めてくれます。
経験者が転職で年収を上げるときのコツ
転職で年収を上げると言っても、やみくもに動くと失敗します。経験者だからこそ押さえておきたいポイントがあります。
まず、今すぐ転職しなくても、市場価値だけは把握しておくこと。転職サイトやエージェントに登録して、自分にどんなオファーが来るかを知るだけでも、「今の年収が適正か」が分かります。意外と高いオファーが来ることもあれば、「もっとスキルを足そう」と気づくこともあります。
次に、高年収の案件は都市部に集中している現実を踏まえること。大手や自社サービス企業、上流の高年収ポジションは、東京・大阪などの都市圏に偏っています。年収を本気で上げたいなら、勤務地の選択肢もある程度は意識しておく必要があります。
そして、経験者向けの転職では、エージェントを使い倒すのが近道です。非公開の高年収求人を持っていたり、年収交渉を代行してくれたりするので、自分一人で動くより条件が良くなりやすい。特に30代の経験者は、エージェント側も積極的に動いてくれる層です。
経験者向けの転職エージェントを活用する
エージェントは複数登録して比較するのが基本ですが、その中でも、20〜30代のエンジニア経験者の年収アップに強いところを一つは入れておくと心強いです。
たとえば「明光キャリアパートナーズ」は、年収1,000万円クラスの案件も扱い、大手からスタートアップまで幅広く紹介実績があります。あの明光義塾を運営する明光ネットワークジャパンのグループなので、運営母体の安心感もあります。履歴書や面接対策まで手厚くフォローしてくれるので、「経験はあるけど転職活動は久しぶり」という人ほど使う価値があります。まずは面談で、自分の市場価値と年収の伸びしろを確かめてみるところからで十分です。
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私の体験:動いてみて分かったこと
最後に、自分自身の話を少しだけ。私は20代のうちに「給料は環境で決まる部分が大きい」と気づき、転職で環境を変えました。その後もCCNP・Security+と資格を積み上げ、転職市場での評価が変わっていくのを実感しました。並行してKindle出版という形で発信も始め、本業以外の収入源と専門性の証明を作りました。
偉そうなことを言える年収ではありませんが、確実に言えるのは、「今の場所で我慢する」以外の選択肢を知っているかどうかで、30代以降の年収は大きく変わるということです。動かないリスクのほうが、実は大きいと感じています。
まとめ
30代インフラエンジニアが年収を上げるために、できることを整理します。
- 年収の差は30代で大きく開く。平均より上を狙えるかが分かれ道
- 上がらない原因は「商流・仕事のレイヤー・スキル・会社の天井」という構造にある
- 転職で商流と会社の天井を変えるのが、もっとも効果が大きい
- クラウド・セキュリティのスキルと、資格による証明を用意しておく
- 複業・発信で収入の柱を増やすのも有効
- まずは市場価値を知るために、経験者向けエージェントに登録してみる
今の年収にモヤモヤしているなら、いきなり転職しなくても構いません。自分の市場価値を一度確かめてみるだけで、次の一手が見えてきます。動いてみる価値は、十分にあります。
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