受験を迷っている人が最初に知りたいことを、実際に独学で合格した現役インフラエンジニアが、公式情報をもとにまとめました。
そんなときに候補に挙がるのが CompTIA Project+(コンプティア プロジェクトプラス) です。
この記事では、勉強法の話は一旦おいて、「Project+とはそもそも何か」「何が出題されるのか」「取る価値はあるのか」 に絞って解説します。私自身、CompTIA Security+・CCNA・CCNPを保有する現役インフラエンジニアで、Project+にも独学で合格しています。受験前に「これが知りたかった」という情報を、CompTIA公式の最新情報に沿って一本にまとめました。
なお、具体的な勉強法や合格までの体験談は、別記事の【独学・約1週間】CompTIA Project+に合格した勉強法と教材の話で詳しく書いています。あわせてどうぞ。
CompTIA Project+とは?一言でいうと「IT寄りのPM入門資格」
CompTIA Project+は、アメリカの非営利団体CompTIAが認定する、プロジェクトマネジメントの基礎知識を証明する国際資格です。最新の試験バージョンは「PK0-005(V5)」で、2022年11月8日に配信が開始されています。
最大の特徴は、特定のツールや手法に偏らない「ベンダーニュートラル」な内容であること。Microsoft ProjectやJiraといった特定ソフトの操作ではなく、「プロジェクトを計画し、進め、管理するための普遍的な考え方」を問われます。
PMP(Project Management Professional)のような上位資格に比べると入門的な位置づけですが、その分受験のハードルが低く、IT業界で働く人が最初のPM資格として取りやすいのが魅力です。ITエンジニアはもちろん、これからプロジェクトに関わる立場の人にとっても、土台づくりに向いた資格といえます。
Project+(PK0-005)の試験概要
まずは基本情報を、CompTIA公式の記載にもとづいて表にまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験番号 | PK0-005(試験バージョンV5) |
| 問題数 | 最大90問 |
| 出題形式 | 選択式およびパフォーマンスベースの問題 |
| 試験時間 | 90分 |
| 合格基準 | 900点満点中 710点以上(100〜900のスケール) |
| 受験料 | 390米ドル(米国公式価格・2026年6月時点)※日本での受験料・円価格はPearson VUEの申込画面で要確認 |
| 受験資格 | なし(誰でも受験可能。CompTIAの推奨経験はIT環境でのPM実務6〜12ヶ月相当) |
| 有効期限 | 3年(後述:2025年10月にCE制度へ移行し、更新が必要に) |
| 受験方法 | テストセンター(Pearson VUE)またはオンライン監督試験(OnVUE) |
| 言語 | 英語・日本語・タイ語 |
受験資格はないが「推奨経験」はある
PMPはプロジェクトマネジメントの実務経験が受験要件として求められますが、Project+は受験の前提条件がありません。学生でも、PM未経験のエンジニアでも、申し込めばすぐに受験できます。
ただしCompTIAは、目安として「IT分野におけるプロジェクト管理の実務経験が6〜12ヶ月相当」のスキルを推奨しています。あくまで推奨であり必須ではないので、「将来プロジェクトに関わりたいけれど、まだ実務経験はない」という人でも、知識ベースで挑戦できます。
【重要】有効期限のポリシーが2025年に変わりました
ここは古い情報が出回っているので注意してください。
Project+は長らく「Good for Life(取得すれば一生有効・更新不要)」の資格でした。しかしCompTIA公式の発表により、2025年10月1日付で、Project+はContinuing Education(CE:継続教育)プログラムへ移行しました。
これにより、
- 2025年10月1日以降にProject+を取得した人は、3年ごとにCE(継続教育)による更新が必要になりました。
- すでに取得済みの人も、自動的にCE版へ移行されており、更新が必要です。CompTIA公式によると、現行のProject+ CE認定の更新期限は 2028年10月1日 とされています。
つまり、「Project+は有効期限がないから取りっぱなしでOK」という情報は現在は誤りです。これから受験する人は、取得後にCEU(継続教育単位)の取得などで更新する必要がある点を、あらかじめ知っておきましょう。
Project+の出題範囲(4つのドメインと配点)
Project+(PK0-005)の出題は、CompTIA公式の試験範囲で 4つのドメイン(分野) に分かれています。配点比率は以下のとおりです。
| ドメイン | 出題範囲(公式名称) | 配点 |
|---|---|---|
| 1. プロジェクト管理の概念 | PMの概念・方法論、アジャイル/ウォーターフォール、変更・リスク・課題・スケジュール・品質・コミュニケーション・チーム・調達の管理 | 33% |
| 2. プロジェクトのライフサイクルフェーズ | 発見・開始・計画・実行・終了の各フェーズと成果物 | 30% |
| 3. ツールとドキュメント | ガントチャート等のPMツール、生産性ツール、品質・パフォーマンスのチャート | 19% |
| 4. ITとガバナンスの基礎 | ESG、情報セキュリティ、コンプライアンス・プライバシー、IT概念、変更管理 | 18% |
配点を見ると、ドメイン1と2だけで全体の約63%を占めています。つまり「プロジェクトマネジメントの基本概念」と「プロジェクトの進め方(ライフサイクル)」が試験の主役ということ。ここを固めるだけで合格にぐっと近づきます。
ドメイン4「ITとガバナンスの基礎」はIT経験者が有利
ドメイン4では、情報セキュリティ、コンプライアンス、クラウドモデルやCI/CDといったIT概念、ITインフラの変更管理などが問われます。IT業界での実務経験がある人にとっては、この分野はアドバンテージになります。 私自身、インフラの現場感覚があったぶん、この分野は比較的すんなり理解できました。
合格者の補足:出題範囲は知識を「広く浅く」問う構成です。一つの分野を深掘りするより、4ドメインを満遍なくカバーする方が合格に直結します。
PMP・基本情報との立ち位置の違い
「他のPM資格・IT資格とどう違うの?」という疑問もよくあります。ざっくり整理すると、
- PMP:実務経験が受験要件の上位資格。難易度・費用ともに高く、PMとしてのキャリアを本格的に進める人向け。
- 基本情報技術者:IT全般の国家資格。PMはその一部分のみ。
- Project+:受験資格なしで挑める、IT寄りのPM入門資格。最初の一歩に向く。
それぞれの詳しい比較は、別記事で深掘りする予定です(Project+とPMPの違い/Project+とSecurity+の違い など)。ここでは「Project+は、PM資格の入口として挑戦しやすいポジション」と覚えておけば十分です。
Project+を取る価値はある?合格者の正直な評価
ここからは公式情報ではなく、合格した私個人の所感です。
価値が高いと感じる人
- PMの基礎を体系的に学びたいIT系の人:実務でなんとなくやっていたプロジェクト管理が、用語と流れで整理されます。これは普段の仕事にそのまま効きます。
- これからプロジェクトに関わる若手・未経験者:受験資格がないので、経験を積む前に知識を先取りできます。
取得前に知っておきたい点
- この資格“だけ”で年収やキャリアが劇的に変わるものではなく、あくまで「基礎の証明」です(ここは私の主観です)。
- 前述のとおり、2025年10月以降は3年ごとの更新(CE)が必要になったため、「取りっぱなしでよい資格」ではなくなりました。維持の手間も考慮して取得を判断しましょう。
私の結論としては、「PMの基礎を効率よく体系化し、その証明を手元に残す」目的なら検討に値する資格です。ただし「これ一枚で劇的にキャリアが変わる」と期待しすぎるのは禁物。資格は“きっかけ”であって“ゴール”ではない、という前提で取るのが正解だと考えています。
勉強法・合格までの流れはこちら
「で、結局どう勉強すれば受かるの?」という人は、私が実際に独学・約1週間で合格したときの手順をまとめた記事をどうぞ。使った教材や、つまずきポイントも正直に書いています。
👉 【独学・約1週間】CompTIA Project+に合格した勉強法と教材の話
まとめ
最後に、この記事のポイントを整理します。
- CompTIA Project+は、ベンダーニュートラルなIT寄りのPM入門資格(最新はPK0-005/V5)
- 試験は最大90問・90分・710点以上で合格、出題は選択式とパフォーマンスベース、言語は英語・日本語・タイ語
- 受験資格はないが、推奨経験は6〜12ヶ月相当
- 2025年10月にCE制度へ移行し、3年ごとの更新が必要になった(「有効期限なし」は古い情報)
- 出題は4ドメイン。「概念(33%)」と「ライフサイクル(30%)」で約6割を占める
受験資格のハードルがなく、IT現場の基礎づくりに直結する——更新が必要になった点もふまえつつ、「PM資格の最初の一歩」として検討する価値のある資格です。
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※本記事の試験仕様はCompTIA公式サイト(Project+認定ページ/公式FAQ)にもとづき、2026年6月時点で確認した内容です。受験料・最新仕様は変更される場合があるため、申込前にCompTIA公式およびPearson VUEで最新情報をご確認ください。


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